クリニック所在地

〒171-0022
東京都豊島区南池袋2-26-5
アイアンドイー池袋ビル9階
※池袋駅東口より南池袋公園に向かって徒歩2分

電話番号03-5949-6119

月 火 水 金曜日

午前 09:00〜12:30

木曜日

午前 09:00〜11:00

月 火 水 金曜日

午後 03:00〜06:30

休診日:木曜日午後、土曜日

日曜日、祝日


オンラインHDFについて

オンラインHDFとは

血液透析濾過(HDF)は拡散と濾過を組み合わせて、小分子から中大分子までの尿毒症性物質を効率よく除去しようとする治療法です。血液透析(HD)では、患者さんの体重増加分のみを除水しますが、HDFではこれに加えて強制的に一定の体液を濾過し、濾過された体液にみあう補充液を注入します。従来の補充液は製薬会社の工場で製造され、ソフトバックに充填されたものを医療機関が購入して使用していましたが、このような市販補充液を用いず、エンドトキシン捕捉フィルタ(ETRF; endotoxin retentive filter)とよばれる微粒子濾過フィルタを通過した透析液から、一部を分岐させて連続的に無菌的な補充液を作成して、血液回路内に補液を行うHDF法をオンラインHDFとよびます。これに対して市販補充液を用いた古典的なHDFはオフラインHDFと呼ばれます。HDFには、補充液を注入する部位により前希釈法と後希釈法があります。後希釈HDFは血液透析濾過器(HDFフィルタ)を通過した後の血液回路内に補充液を注入する方法で、前希釈法はHDFフィルタを通過する前の血液回路内に補充液を注入します。わが国では圧倒的に前希釈法が多く行われています。当院ではそれぞれの患者さんの病態に応じて使い分けています。

 

オンラインHDFの水質について

オンラインHDFは専用のHDFフィルタと承認された透析装置を用い、透析液および補充液は日本透析医学会の水質基準を満たすことが必須条件となっています。オンライン補充液を作製するための透析液は超純粋透析液とよばれ、生菌数0.1CFU/mL未満でかつエンドトキシン濃度が0.001EU/mL未満でなければならず、最終的に血液回路に注入される補充液の理論上の細菌数は10-6 CFU/mL未満、ET濃度0.001EU/mL未満を担保する必要があります。したがって、厳格な水質管理の基に行われる治療法です。

オンラインHDFを実施するための院内体制

オンラインHDFを実施するためには、専任の医師または専任の臨床工学技士である透析液安全管理者を委員長とした透析機器安全管理委員会を院内に設置しなければならないことになっています。また透析液安全管理者は、当該施設の透析用原水から透析液作成、廃液までの全行程の質と管理を熟知している者で、かつ所定の研修を終了した者でなければならならないとされています。当院ではオンラインHDFを熟知した医師および臨床工学技士が万全の体制により実施しています。

オンラインHDFの臨床的なメリット

オンラインHDFのメリットとしては、皮膚掻痒症(かゆみ)、イライラ、不眠、下肢静止不能(レストレスレッグ)症候群、骨•関節痛等の症状の改善または軽減が期待されるほか、透析中の血圧低下頻度の改善、貧血の改善等が報告されています。これは通常の血液透析では十分に除去しきれない尿毒症物質が、オンラインHDFで除去されるためではないかと考えられています。一方、最近では特別な症状のある患者さんに対してのみオンラインHDFを行うのではなく、合併症を未然に防ぐために種々の症状が出現する前から積極的な尿毒症環境の是正を行い、生命予後の改善を期待したオンラインHDFが行われる傾向にあります。

オンラインHDFの溶質除去特性(HDとの比較)