Ikebukuro Kuno Clinic

池袋久野(くの)クリニック《腎臓内科・内科一般・人工透析》

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診療カレンダー

人工透析 (血液浄化療法) 室のご案内

 

1)基本的診療方針

 

 《私たちは『良い透析とはなにか』を常に考え続けます》

 

 透析患者の平均余命はいまだ同年代の健常人の50%に満たず、また死因の約40%は心血管系疾患です。当院では、透析患者の生存率が世界でトップレベルといわれるフランスのTassin病院の生存率を目標にし、長期透析合併症(透析アミロイド症、MIA症候群、CKD-MBDなど)の発症予防と進展阻止、患者様の社会復帰支援と、高い生活の質(QOL)の維持など、心から満足していただける診療体制の確立のため、スタッフ一同日々研鑽を重ね、全力で努力しております。

 当院は患者様が自らの足で歩き通院できる「元気で自力通院のできる透析」を目標にしており、『送迎』は行っておりません。患者様には「透析で生かされている」とか「透析のために生きている」といったようなネガティブ思考ではなく、「普通の人とかわらない生活」に限りなく近い質の高い日常生活」を提供し、「自ら通院する喜び」を味わっていただきたいと考えています。 そのための透析条件(治療時間、週あたりの透析回数、透析液の組成、ダイアライザの選択、最適除水パターン設定、血液浄化のモダリティー(HD、HF、HDF、on-line HDF、AFBF、CAPDとHDのハイブリッド透析等) は、専門医が各患者様の病態を総合的に判断して、常に最適な治療条件を設定するよう自由度の高い柔軟な対応を行っています。

 また透析医は透析患者様の「かかりつけ医」であるべきとの考えから、透析治療のみならず患者様の全身チェックを常時おこなっています。同時に大学病院など高度医療機関との密接な連携により、必要に応じて迅速な対応ができるように万全の体制を整えております。

 

)設計思想と設備

 

 患者様は年間600時間以上を透析室ですごされることになります。したがって私たちは、透析室は心和む落ち着いた快適な空間であるべきと考えています。都心を一望できる9階からの眺望と、明るく都会的な雰囲気の透析室には、最高水準の透析医療環境を実現させるために数々の工夫がこらされています。プライバシーの保護やアメニティーにも配慮した癒しの快適空間を確保しました。その上で安全性を第一優先に、信頼性の高い最新のハイテク装置と充実した設備、徹底したセキュリティー対策リスクマネジメント(危機管理)を実施しています。透析装置はすべて最新のコンピュータ(CAMシステム)にて集中管理されています。透析室内の各ベッドの配置は、院内感染防止の観点からも特に工夫をこらした「こだわりの透析室」です。また2013年4月より、透析室の照明を全てLEDに変更しました。従来の蛍光灯照明に比べて、CO2の排出量が少なく地球環境に優しい照明であると同時に、ちらつきがなく目に優しい光です。

 

3)超高純度透析液の使用でからだにやさしい治療 (全ベッドアセテートフリー)


 透析は水が命です。最近の多くの研究から、透析液の純度が生命予後や合併症の予防に重要であることがわかってきました。当院では開院当初より、いち早く透析液の清浄化に取り組んできました。使用する透析液はエンドトキシンを含まない(エンドトキシンフリー透析液)ことは無論、エンドトキシンの測定だけではわからないその他の汚染物質や不純物を極力排除した超高純度(ウルトラピュアー)透析液です。水処理装置から患者様の血液と接触するダイアライザの透析液入り口までのすべての配管系に最新のテクノロジーを惜しみなく投入しました。エンドトキシン捕捉フィルター(ETRF)に依存せず、全ベットで高性能の内部濾過促進型透析器を安全に使用可能です。透析液中の細菌培養検査も開設当初より定期的に実施しており、国内トップレベルの経験豊かな臨床工学技士による完璧なメンテナンスが、高い安全性を保証しています。さらに2007年8月より、全てのベッドでアセテートフリー透析液が使用可能となり、現在全ての患者様にアセテートフリー療法を実施しております。さらに、2010年5月より、EDI (電気再生式純水製造装置)を導入しました。水の純度を表す伝導度が通常のRO装置の約100分の1の超純水を作成する装置です。一般に、透析液を作成する水の伝導度は2〜5μS/cmですが、EDI装置を通過した後の水は0.05μS/cm程度まで低下します。既に製薬会社の工場では品質の安全性や環境を考慮してRO+EDIが主流になっています。当院では開院以来、上流域からの透析液清浄化に取り組んできましたが、今回のEDIシステムの導入により、さらに一歩前進し時代をリードしています。

 

水のグレードについて;下の図に示すように、RO+EDIにより作成された水は、純水の中でも、超純水に近い質の高い水となります。当院ではオンライン HDFは無論の事,全ての患者様に供給する透析液を、「RO+EDI水」で作成しています。

 

水のグレード

 

EDI  EDISETUMEI

当院に導入したEDI (ElectroDeIonization) system

 

EDIとは;イオン交換樹脂およびイオン交換膜を直流電流と組み合わせることで、水からイオンを除去する技術。 電流を流すと水はH+とOH-に解離し(水の解離現象)、このH+とOH- には殺菌効果があると考えられており、またこれによりイオン交換樹脂が再生されます。 この装置では溶解イオンを 5〜17 MΩ-cm、

TOC(全有機炭素) 20 ppb 未満まで除去します。

4)当院における透析困難症(不耐症)への対応

 

 アセテートフリー透析で透析中に血圧低下や不快な症状(気分不快、欠伸、倦怠感、冷汗、頭重感、吐気など)を伴う患者様(透析不耐症)に対しては、血液透析濾過法(HDF)の変法であるアセテートフリーバイオフィルトレーション(AFBF) を行っています。透析中のみならず、治療終了後の疲労感の軽減が期待できる治療法です。当院が目指す「元気に歩いて通院できる透析」を実現する有力な手段の一つです。また、これらの最新の治療法を駆使するとともに、患者様とダイアライザ(透析器)との相性を重視し、「昇圧薬を使用しない透析」に努めています。

 

【専門用語解説 Q&A】

MIA症候群とはなんですか?

透析患者にみられる栄養障害(やせ)、慢性微弱炎症(CRPの上昇など)、動脈硬化症の3つを合併した特徴的な症候群のことです。原因としては、透析液の汚染や透析液中のアセテートなどが関与している可能性が示唆されています。したがって透析液を極力清浄化し、さらにアセテートを含まない透析液の使用が発症予防に望ましいと考えられています。

AFBFとはなんですか?

Acetate-free Biofiltrationの略です。 血液透析濾過法(HDF)の一種ですが、アセテート(酢酸)の負荷が全くなく、生体適合性が高い(カラダにやさしい)治療法です。専用の透析液(バイフィル®)と補充液(バイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液)を使用します。アシドーシス(カラダの中の酸とアルカリのバランス)の是正に優れており、またアセテートフリー透析よりもさらに血圧が安定しやすい特長を有しています。

エンドトキシンとはなんですか?

 細菌(グラム陰性菌)の細胞壁にあるリポ多糖体(リポサッカライド)の総称です。体内に入ると発熱などの強い生体変化をひきおこす物質で、水道水中にも存在しています。この物質が透析液中に混入すると、たとえ低い濃度であっても透析の度に繰り返して慢性的に暴露されることでMIA症候群(栄養障害、慢性炎症、動脈硬化)や透析アミロイド症等の発症に関与すると考えられていま(下図参照)


 

<図> 透析液中に存在するエンドトキシンやアセテート(酢酸)は、ダイアライザの透析膜を通過して血液中に移行し、末梢血液中の単球・リンパ球・マクロファージなどを刺激し、サイトカイン(IL-1, IL-6, TNFα)と呼ばれる物質を産生、放出して様々な生体反応を引き起こします。この結果、透析アミロイド症やMIA症候群、骨障害、血圧低下などの合併症の発症に関与すると考えられています。したがって、サイトカインを誘導する可能性のある物質を全く含まない透析液(超高純度アセテートフリー透析液)が理想的な透析液といえます。

 

オンラインHDFとはなんですか?

 HDFは補充液を調達する方法から、オフライン方式とオンライン方式とに、また補充液注入部位の違いにより、前希釈法と後希釈法とに分類されます。前希釈法では大量液置換を必要とし、後希釈法では血液濃縮の問題から濾過量に限界があり、置換液量は少量から中等量になります。オンラインHDFでは透析液から連続的に補充液が作成されるため、容易に大量液置換が可能で前希釈HDFに適しています。ただし細菌数 0.1CFU/mL未満、かつET濃度が0.001EU/mL未満の超純粋透析液(ultra-pure dialysis fluid)を用い、透析液由来オンライン補充液は、細菌数10−6CFU/mL未満、 ET濃度0.001EU/mLを担保する必要があります。

 

<参考文献>

1 久野 勉「AFBF」血液浄化療法2009、腎と透析、第65巻増刊号 pp152-156 東京医学社 2008

2 久野 勉「透析液清浄化と臨床効果」特集;透析液清浄化技術を極める Clinical Engineering vol.19 No.8 pp892-897, 2008

3 久野 勉「透析液清浄化;技術と対策 」特集;透析液清浄化にむけて 医薬ジャーナル vol.45 No.1 pp115-119, 2009

4.久野 勉「低濃度エンドトキシンの慢性毒性」PP35-46 血液透析とエンドトキシン(編集;竹沢真吾)東京医学社 2002

 

 

池袋久野クリニック血液浄化センター紹介VTR 

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体重計と連動したコンピュータ集中管理システム

体重計は段差のないバリアフリー型でお年寄りも安心。

患者様は体重計に乗るだけで、ベッドサイドのコンソールに予定除水量が自動転送されるオンラインシステムです。

体重の読み違いや誤記入、誤入力等ヒューマンエラーを防止します。

 

 
各ベッドサイドコンソールはコンピュータ集中管理システムにより治療条件と実施状況がリアルタイムに集中監視され、患者様毎に最適な除水パターンを選択するプロファイリング除水を安全かつ正確に実施可能です。

超高純度透析液作成室の内部

透析は水が命です。最近の研究により透析液を作成するための水質が 透析治療の質を大きく左右することが明らかにされています。

 当院では、最先端の水処理システム(RO+EDI)を採用し、上流域からの水質向上を目指しています。また透析液作成過程での二次汚染防止策や透析液ライン管理を徹底し、エンドトキシン測定のみでなく、細菌培養検査も定期的に実施しています。

2007年8月より、日本初のアセテートフリー透析液 (カーボスター®が全ベットに供給可能となりました。


最新鋭個人用HDF装置『インテグラ

 からだにやさしいアセテートフリーバイオフィルトレーション(AFBF) への対応は無論のこと、透析中のヘモグロビン値を連続モニターするヘモスキャン、透析効率を連続的に計測するダイヤスキャンを内蔵したヨーロッパ生まれの 個人用装置、インテグラシリーズの最上位機種「フィジオ」(写真)は透析不耐症の患者様の力強い味方です。