クリニック所在地

〒171-0022
東京都豊島区南池袋2-26-5
アイアンドイー池袋ビル9階
※池袋駅東口より南池袋公園に向かって徒歩2分

電話番号03-5949-6119

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循環器内科/一般内科

循環器•一般内科では高血圧、不整脈、狭心症、心不全、動脈硬化症、痛風、高尿酸血症等の専門的診療を行っております。

医学は目覚ましい進歩を遂げ、我が国は世界一の長寿国となりましたが、一方で寝たきりや認知症も大変深刻な問題となっています。

多くの方は、「他人の世話にならずに元気で長生きしたい」とお思いでしょう。人は血管とともに老いると言われています。元気で長生きするためには、血管がいつまでも健康な状態である事が大切です。そのためには動脈硬化症が起こらないように予防しなければなりません。

動脈硬化症は、いくつかの危険因子により引き起こされますが、その中で重要なものとして、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などがあります。これらは、私たちの生活習慣の乱れによって起こってくるため、生活習慣病と呼ばれます。また、これらは一人の人に重なって起こってきます。
最近注目されている”メタボリックシンドローム”という概念は、肥満が原因となって生活習慣病が重なっている状態で、動脈硬化症の原因となります。動脈硬化症が恐ろしい点は、症状がないまま長い年月をかけて少しずつ進行することです。

生活習慣病では早い段階で腎臓が障害され、それにともなって心臓や脳の機能を悪化させることになります。こうした腎臓の障害を”慢性腎臓病”とよび、動脈硬化症の重要な危険因子となります。生活習慣の乱れによる肥満、メタボリックシンドローム(血圧上昇、血糖上昇、脂質異常)、さらに動脈硬化症の進行や慢性腎臓病、糖尿病の発症、脳血管障害や心臓病、そして腎不全による人工透析、失明などは長い一生の中で一連の流れとして起こってきます。したがって、この連鎖(メタボリックドミノ)をできるだけ早い時期に断ち切ることが大切です。

メタボリックシンドロームメタボリックシンドローム

高血圧症とは

血圧とは「心臓から送り出された血液が血管(動脈)の壁を押す力」のことで、体の隅々まで必要な血液を十分送るために必要な圧力です。血圧は心臓が送り出す血液の量(心拍出量)と、血管の抵抗(末梢血管抵抗)とによって決まります。

血圧には、心臓が血液を送り出すために収縮したときの血圧(収縮期血圧)と、心臓が次に血液を送り出すまでの間に血液を溜め込むために拡張した時の血圧(拡張期血圧)とがあります。血圧は通常、収縮期に最大となり、拡張期に最小となります。(下記図)

心臓の収縮と拡張 

正常血圧とは収縮期血圧が130mmHg未満で、かつ拡張期血圧が85mmHg未満を言います。
収縮期血圧が130〜139mmHgまたは拡張期血圧85〜89mmHgを正常高値血圧、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧と言います。

血圧は体のさまざまな条件に合わせて調節されていますが、何らかの原因で血圧調節のメカニズムが狂ってしまうと、高血圧症になってしまいます。
日本人には高血圧の人が大変多く、4,300万人が罹患しているとされますが、ガイドラインに示された至適血圧を達成できている人はわずか27%(1,200万人)にすぎません。高血圧を治療しないで放置すると、動脈硬化が進み,やがて心臓病や脳卒中等を引き起こし、最悪の場合は命を落とす事になります。したがってサイレントキラー(沈黙の殺人者)と呼ばれています。

高血圧図

高血圧症の分類

高血圧症には「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」があります。

本態性高血圧症は原因がはっきりとわかっていません。日本人の高血圧症の90%以上がこのタイプです。遺伝的な体質と生活習慣(肥満、塩分の過剰摂取、ストレス、喫煙)などが重なり合い、血圧の調節メカニズムが乱れて血圧が高くなります。初期には必ずしも自覚症状は現れませんが、20~30代から少しずつ血圧が高くなっていきます。

一方、二次性高血圧症は原因がはっきりしている高血圧のことです。高血圧症全体の10%以下にすぎませんが、若い人で血圧がかなり高い(上の血圧が170~180mmHg)場合は、二次性高血圧症が強く疑われます。

二次性高血圧症の原因となる病気はたくさんありますが、腎臓の機能が悪くなったり(腎性高血圧)、腎臓の血管が狭くなったり(腎血管性高血圧)、副腎に腫瘍ができたり、血圧を調節するホルモンの異常(内分泌の病気にかかったりすることなどで起こります。

腎血管性高血圧症は、二次性高血圧症の一つで腎臓の動脈が狭くなることが原因です。腎臓の動脈が狭くなると、血液が十分に供給されないため、血管が狭くなった側の腎臓から血圧を上昇させるホルモンが作られ、血圧が異常に高くなってしまいます。

腎臓の動脈が狭くなる原因では、動脈硬化症によるものが最近多くなっています。50歳以上の中高年者に多く、腎臓の血管に動脈硬化がある人のうち10~20%は心臓や脳の血管にも異常があるといわれており、また糖尿病を併発する人が約半数を占めています。
このような腎血管の動脈硬化を放置しておくと、腎機能が徐々に低下し、やがて人工透析が必要になる原因となります。

高血圧の分類

痛風と高尿酸血症

体の中に「尿酸」という物質があり、尿酸は細胞の核に含まれるプリン体が肝臓で分解されてできる老廃物で、腎臓から尿中に排泄されています。高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dL (血液100ml中に尿酸が7.0mg解けている濃度)を超える状態を言います。尿酸は通常は血液中に溶けていますが、高尿酸血症の状態が続くと、溶けきれずに結晶となって体にたまったものが関節の炎症(痛風性関節炎)を引き起こします。この状態になると,発作性に激しい痛みが出現し(足の親指の付け根におこる事が多い)、これが痛風発作です。

痛風

高尿酸血症の状態でも、全ての人が痛風発作を起こすわけではありません。しかしたとえ無症状でも,高尿酸血症を放置すると腎臓病を引き起こすことが知られており、さらに高尿酸血症は高血圧、糖尿病、脂質異常症などを伴いやすいことが知られています。

治療

治療は食生活などの生活習慣の見直し、必要に応じて薬物療法によるコントロールが行われます。食事ではプリン体を多く含む食品(肉類・魚介類など)を極力控え、アルコールは適量(特にビールは制限)にし、十分な水分摂取をすることが大切です。そして軽い有酸素運動が推奨されています。ただし激しい運動は逆の効果をもたらしますので注意してください。

薬物療法には大きく分けて、腎臓から尿酸を排泄する力を助ける薬と、体内で尿酸が産生されるのを抑える薬があります。どちらが適しているかは患者さんごとに異なりますので、検査をした上で選択することになります。