クリニック所在地

〒171-0022
東京都豊島区南池袋2-26-5
アイアンドイー池袋ビル9階
※池袋駅東口より南池袋公園に向かって徒歩2分

電話番号03-5949-6119

月 火 水 金曜日

午前 09:00〜12:30

木曜日

午前 09:00〜11:00

月 火 水 金曜日

午後 03:00〜06:30

休診日:木曜日午後、土曜日

日曜日、祝日


腎臓内科

腎臓内科では、尿検査異常の診断から人工透析(血液浄化)まで幅広い治療を行っています。診断は尿検査、血液検査、超音波検査による画像診断などを駆使し、迅速に確実に行います。

「慢性腎臓病」(CKD;Chronic Kidney Disease)では適切な降圧療法による糸球体保護や減塩•低蛋白食等の適切な食事療法、生活指導、腎性貧血の管理などを行ない、腎不全の進行予防に努めています。また腎機能の程度に応じて各種薬剤の使用方法に細心の注意を払い、種々の電解質異常や酸塩基平衡異常の診断・治療を行っています。

腎生検が必要な患者さんには、適切な医療機関をご紹介するのみならず、関連病院との密接な連携により、検査後の適切な外来管理を行っています。

末期腎不全治療では、合併症が少ない血液透析を目指すとともに、合併症および偶発症の早期発見と適切な対処で生命予後の向上に努めています。

さらに腎臓移植(生体腎移植、献腎移植)についても、正確な情報提供を行うよう努めており、献腎移植登録の手続のご案内も致します。

慢性腎臓病(CKD)について

慢性腎臓病(CKD;Chronic Kidney Disease)とは尿検査で蛋白尿が認められるなど腎臓の障害がある状態、もしくは腎臓の働きを表す糸球体濾過量 (GFR) が、60mL/分/1.73m2未満の腎機能が低下した状態が、3ヵ月以上持続するものと定義されています。
日本にはCKDの患者さんは約1330万人*いると推定されており、日本人の8人に1人がCKDと考えられています。この病気を放置していると、腎機能(腎臓の働き)が低下して、やがて人工透析が必要な腎不全という状態まで進行することがあります。またCKDの患者さんは、腎臓の働きが正常な人と比較して心筋梗塞や脳卒中などの心血管障害(CVD;Cardiovascular Disease)で死亡する危険性が高くなることがわかっています(心腎連関)。この病気の初期にはほとんど自覚症状がないため、尿検査や血液検査を受けなければ知らずに過ごしてしまう事も多いので注意が必要です。

* Enyu Imai et. al. , Clin Exp Nephrol. 2009, 13:621-630

CKDの原因となる病気

  •  慢性糸球体腎炎(日本人に最も多いのはIgA腎症;指定難病66)
  •  急速進行性糸球体腎炎(急速進行性腎炎症候群;指定難病220)
  •  ネフローゼ症候群 (膜性腎症、微小変化型腎症、巣状糸球体硬化症等)
  •  糖尿病性腎症
  •  高血圧および腎硬化症
  •  多発性のう胞腎(指定難病67)
  •  妊娠中毒後遺症
  •  間質性腎炎
  •  痛風腎
  •  ループス腎炎
  •  IgA血管炎(紫斑病性腎炎;指定難病224)
  •  アミロイドーシス
  •  アルポート症候群(指定難病218)
  •  ファブリー病
  •     IgG4 関連腎臓病 (IgG4‒RKD)
  •    良性家族性血尿(菲薄基底膜病)
  •  ネフロン癆(指定難病335); 乳児型、若年型、思春期型

などがあります。
なお、最近では糖尿病による糖尿病性腎症の方が大変多くなってきており、糖尿病を早期に発見してしっかり治療する事も大切です。
健康診断で尿検査に異常があると指摘された方はもちろんですが、糖尿病の疑いがあるといわれた方、血圧が高めである方なども注意が必要です。すでに糖尿病と診断され何らかの治療をお受けの方は、年に1~2回程度、定期的に尿中微量アルブミンの検査を受けていただくことが推奨されています。
CKDはその原因や進行度(ステージ)に応じて治療目標を定め、適切な管理をしていくことが大変重要です。腎臓専門医のもとで、最新の科学的根拠に基づいた標準的な治療法を駆使することにより、腎機能の悪化を予防し腎不全への進行を遅らせたり、食い止める事が可能になってきており、一部には腎機能の改善が認められる方もおられます。なお、科学的な根拠のない民間療法や迷信等に惑わされて、専門医への受診が遅れることは、病状を悪化させるのみならず大変危険です。

急速進行性糸球体腎炎 / 急速進行性腎炎症候群(RPGN)について

糸球体腎炎のうちでも短期間(数週から数カ月)に腎機能が急速に低下する病気を「急速進行性糸球体腎炎」といいます。血尿(目に見える肉眼的血尿を認めることもあります)や蛋白尿が出現します。時に全身症状として、発熱、倦怠感、関節痛、筋肉痛など風邪と紛らわしいが症状が出現したり、むくみや高血圧を伴うこともあります。この病気は出来るだけ早く専門医による診断と治療を開始することが重要で、放置すれば腎不全に至り、人工透析が必要な状態に陥ることがあります。日本で人工透析に導入される患者の原因疾患として5番目に多い病気でもあります。もし健康診断で血尿や蛋白尿を初めて指摘されたという方は、早めに腎臓内科を受診して詳しい検査をされることをお薦め致します。また,風邪症状がなかなかよくならない、熱が下がらない、尿の色が濃くなってきている、尿量が少ない等の症状がある場合は,腎臓内科を早急に受診してください。

【用語解説】Q&A

Q
蛋白尿とはなんですか?
A

健康な人でも尿中にはわずかな蛋白がでていますが、1日に150mg以上持続的に排泄されている場合を蛋白尿と呼びます。この場合腎臓に何らかの障害があると考えられます。

Q
血尿とはなんですか?
A

尿中に赤血球が排出される状態を血尿といいます。尿の沈殿物を顕微鏡で観察し400倍の視野で赤血球が5個以上認めれられる場合に異常とします。これを顕微鏡的血尿と呼びます。これは肉眼で尿を見てもわかりません。一方、 目で見て明らかに尿の色が 紅茶色やコーラの色のように見える場合は、肉眼的血尿と呼び区別しています。なお蛋白尿と顕微鏡的血尿が同時に認められる場合は、慢性糸球体腎炎の可能性が高いと言えます。蛋白尿や血尿はCKDの早期発見に大変有用な所見です。

Q
心腎連関とはなんですか?
A

CKDではCVDの発症率や死亡率が高くなること、この両者の危険因子の多くが共通である事が知られており、CVDではCKDの有無を確認する事が重要とされています。CKDとCVDはきわめて密接な関連があるため、このことを心腎連関(Cardio-renal Interaction)と呼びます。